日常のエッセイ
noyau:ノワイヨはフランス語の『種(たね)』。 私にとって おいしいものは 種から生まれたものがほとんどです。
光と水と空気にふれあいながら ノワイヨは芽を出し、葉をひろげ、根をはりめぐらせて、花を咲かせ、実をつける。
そしてまた種へと、シンプルで美しい時間をゆっくりと静かに過ごしていきます。 その自然の流れのどこかを 私は おいしく頂いて、
そのたびに目をとじる。 植物にもらった小さなしあわせをたくさん、 おぼえておくために。
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修道院に興味を持ち始めたのはハーブとの関わりが深くなった頃、 日本でも有名になったサンタマリアノヴェッラはいまも薬局としてフィレンツェに *モンサンミッシェルへは「マイバス」という日本人向け観光会社のバスツアーで |
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9月中旬、東京でドモーリ創始者であるジャンルーカ・フランゾーニ氏による 15世紀頃、はじめは特殊な飲み物として存在し、17世紀にスペイン王に愛されたのが カカオにはさまざまな品種があり遺伝子がちがえば香りや触感、色なども異なります。 |
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だけど、家にいると何かしてしまうものです。 海にはたくさんの「気」のエネルギーが充満しています。 そんなすばらしい場所で空を吸い込むように呼吸すると、体の中に |
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だけど、太陽にあたりすぎもよくありません。 |
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春菊の花: しゅんぎくの花はごらんになったことがありますか? 春の菊という名前だけあって、その花は鮮やかな黄色、菊そのものです。 |
じゃがいもの家族: 少し、早い収穫です。一株だけ掘り起こしてみました。いちばん小さな子は ビー玉くらいの小粒。大きな子は握りこぶし大。 誰一人、同じ大きさでない楽しいじゃがいも家族です。 じゃがいもは、 “じゃがいもの芽”から発芽しひとつの株となり、 土の中で家族をつくります。植えるときは、親となるじゃがいも一ヶを 芽ごとにカットして。実でもあり、種でもあるじゃがいも。 栄養たっぷりなのもうなずけます。 |
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● 伐採された、クルミの木 今思えば、 クルミの木は、最初の収穫までに6〜8年。 |
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4 ● プチトマトのピクルス、失敗作
プチトマトがたくさん実をつけたので、ピクルスにでもしておこうと 軽い気持ちではじめたのが失敗のもと。 いつものように、そのときあるものでつくりました。 ワインビネガーを切らしていたので、米酢で。 スィートバジルは、あとでペーストを大量につくるので、もったいないからと 小さな小さな葉をつけるグリークバジルで。 あとは、にんにく。 2日後がたべごろと、わくわくしていたのに。失敗作のできあがり。 米酢のピクルスが私の好みに合いませんでした。 ただ、ただ、おいしくないのです。 きっと、お口にあう人もいらっしゃるとは思いますが 私はダメでした。好きじゃない味をたべてしまうと急に目の前が まっくらになります。自分でつくったものなら、なおさらのこと。 後日、夫の母がカレーに入れて料理してくれていました。 やさしい。でも、やっぱり酸っぱすぎておいしくない、私にとっては。 トマトはびっくりするほどたくさんの種類があります。 以前、友人の家具職人さんのトマトコレクションをいただきました。 5種くらいだっと思いますが、 色、大きさ、形、味、すべてがちがうのです。 中でもおどろいたのが、緑色のトマト。 ただのグリーントマトではなく、きゅうりのような味と食感なのです。 パリパリと音がするほど少し固めの実。 スライスしてサラダでいただきましたが、いつものトマトにはない おもしろさ。 トマトコレクションだなんて、素敵なご趣味だなぁと感動したものです。 外国のとある種やさんのカタログだけでも400種はあるときいたことがあります。 実際はもっと存在すると思います。 品種改良がおこなわれた結果なのでしょうからナチュラリストにとっては 眉間にしわですが、“たのしい”にはかないません。 農薬漬けでない限り、目もよろこばせてくれる野菜もたのしみたいです。 そのほかトマトの歴史を探れば、いろいろな国で、たちまち人気の野菜になったため その土地に適した品種をつくる必要が生じたそうです。 一般市場向けの品種はもちろんのこと、加工用の品種まで登場します。 加工用だと、さらにペースト用、ジュース用、缶詰用、粉末用と品種ですでに 細かくわけているようです。さらに、病気に強い品種改良にも力をそそぎました。 これが、1856年から盛んに おこなわれているというのですから、びっくりするほどの 種類があってあたりまえですね。 トマトはナス科で、学名はLycopersicum esculentum。 この学名にはトマトの昔話が潜んでいるのをご存じでしょうか。 “Lycopersicum”とは「オオカミの桃」の意。その昔、トマトは毒を持つ植物と 恐れられていました。同じナス科の有毒植物ベラドンナの実に似ていることなどが 誤解を招いてしまったようです。 野生のトマトはイチゴくらいの大きさしか なかったといいます。インカの人々はコロンブスが新大陸を発見するずっと前から トマトを栽培し、辛みのあるソースをつくりたべていたそうです。 トマトソースはインカ生まれだったのですね!? |
バジル畑: バジルはペーストをたくさんつくりたいから、買っている場合ではありません。たくさん、育ててどんどんつくって冷凍しておきます。つくりたては瓶詰めで売られているものにはないフレッシュさ。私がよくつくる配合は、バジルの葉100g、松の実大さじ3、オリーブオイル100cc、にんにく1かけ海塩小さじ1。チーズは好みで必要なときに料理の際に加えます。はじめから加えて保存するとチーズの質が落ちた感じのお味が気になってしまうのです。 |
フローレンスフェンネル: 肥大した株をたべるタイプのフェンネルです。仙台ではなかなか売られていなし、東京では高級野菜だし(一株700円程)で、種を購入しました。りっぱなフヌイユのできあがり。さわやかな香りとセロリのような食感が大好き。ただの野菜サラダが一気に外国味になります。 |
ディルのたね: 花が終わり、自然に枯れていくのを待っているあいだに たねはできあがっています。そして、もっと自然にまかせると、 いわゆる“こぼれだね”。たねは自分でこぼれて翌年また芽を出すのです。植物は生きているということを、たねはおしえてくれます。こんなに枯れているみたいなのに、また芽吹くのですから。 |
ビーツ: ビーツもフローレンスフェンネル同様どこでも売られている野菜ではありません。夫の父に育ててもらいました。 中は渦巻き模様の種類です。独特の土臭さが、あ、ビーツだという感じ。きっと成功だと思います。パリのビオ・マルシェで買ったビーツとはちょっとちがいました。でも、せっかく育ててくれた父にはそれは内緒。 |
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ブラックベリーはバラ科の落葉低木。 |
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2 ● メスレープラムの木
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1 ● ラベンダーの顔いろいろ 薬をのまなくなって10年ほどになります。 |
文 : 岩佐ゆみ
[C]2001-2007 noyau.
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